木 - 11月 9, 2006

ランプ・ピジョン (Lampe Pigeon)



Pentax *istD + Flektogon 35mm/f2.4

パリで購入したアンティークのランプに灯がともりました。19世紀末のフランスで一世を風靡した持ち運び可能な室内照明、「ランプ・ピジョン」です。


Pentax *istD + Flektogon 35mm/f2.4

フランスで石油ランプが登場したのは19世紀半ばのこと。なかでも1884年以降にシャルル・ピジョンという人物が製造した一連の石油ランプは、当時のフランスでこのタイプのランプの代名詞となったほど。初期のモデルはシンプルなシリンダー型のランプでしたが、その後バリエーション豊かなランプ・ピジョンが次々に発売されました。写真のモデルは1888年に「ルイ16世杯 (Coupe Louis XVI)」の名で登場し、1900年にその商品名が「ランプ・トリアノン」に変更された、数多くのランプ・ピジョンのなかでももっとも優美なデザインを誇るランプです。トリアノンといえば、ヴェルサイユ宮殿の中に立てられた美しい離宮の名前。


Pentax *istD + Flektogon 35mm/f2.4

ランプの上面には美しい字体で、これがランプ・ピジョンの石油ランプである旨が刻まれています。


Pentax *istD + Flektogon 35mm/f2.4

僕は、この美しい脚のデザインに一目惚れしてしまいました。きわめて建築的な装飾とフォルムです。


Pentax *istD + Flektogon 35mm/f2.4

100年も前のランプだというのに、灯心を新しいものに取り替え、ランプ用の灯油を入れたところ、柔らかく暖かみのある光を発してくれました。パリでこのランプを購入して以来、しばらくのあいだは単なるオブジェとして飾っていたのですが、ランプとしてもまだまだ活躍してくれそうです。

Posted at 10:26 午後    


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