フランスで石油ランプが登場したのは19世紀半ばのこと。なかでも1884年以降にシャルル・ピジョンという人物が製造した一連の石油ランプは、当時のフランスでこのタイプのランプの代名詞となったほど。初期のモデルはシンプルなシリンダー型のランプでしたが、その後バリエーション豊かなランプ・ピジョンが次々に発売されました。写真のモデルは1888年に「ルイ16世杯
(Coupe Louis
XVI)」の名で登場し、1900年にその商品名が「ランプ・トリアノン」に変更された、数多くのランプ・ピジョンのなかでももっとも優美なデザインを誇るランプです。トリアノンといえば、ヴェルサイユ宮殿の中に立てられた美しい離宮の名前。