Alain Erlande-Brandenburg@Saint-Denis





今日は、写真のサン=ドニの隣のMaison d'éducation de la Légion d'Honneurにて、ゴシック建築研究の碩学Alain Erlande-Brandenburgの講演会がありました。題目は「大修道院長シュジェールによる新しいサン=ドニ大修道院」。彼はフランスにおけるゴシック研究の一方の中心的な存在で、もう一方の中心が僕の所属する研究室Centre André Chastelということになります。Centre André Chastelの歴代教授たちにはH・フォシヨン、L・グロデッキ、A・プラーシュといった錚々たるメンバーが名を連ね、現在のD・サンドロンに至るまで中世建築研究の王道といえますが、パリの国立古文書学校(Ecole Nationale des Chartes)系のA・エルランド=ブランダンビュールもまた、きわめて多数のゴシック建築に関する研究書を発表している大先生であるわけです。

サン=ドニを夜に訪れたのは初めてでしたが、屋根がブルーにライト・アップされているのには驚きました。




会場となったMaison d'éducation de la Légion d'Honneurはサン=ドニに隣接していて、その中庭からはサン=ドニの側面が見えました。身廊の屋根もブルーにライト・アップされています。また、今まで知らなかったのですが、このMaison d'éducation de la Légion d'Honneurというのは女子学生たちの寄宿学校になっているようで、講演会に出席するために僕が中に入った夕方6:30には、ちょうど彼女たちは大食堂で食事をしていて、講演会が終わった夜8:30には礼拝堂にて夜の礼拝をしていました。中庭を中心に配する石造りの建物の中で生活する彼女たちは、通俗的に例えれば映画ハリー・ポッターの中の世界の住民のようにも見え、日本人の僕の目には現実のものとは思えないほどでした。さすがにカメラを向けるのは憚られたので写真はありません。
ここは、かつてはサン=ドニ大修道院の修道院施設があったところで、中世には修道士たちが生活していた場でもあります。ハリー・ポッターを例に出すまでもなく、中世に思いを馳せてもやはり、なんだか幻を見たような気分がしてくるのでした。

Posted: 水 - 2月 9, 2005 at 09:38 午前          


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