クリスマスの過ごし方





24日のクリスマス・イブの晩、パリのノートル=ダムの深夜ミサに行ってきました。お目当ては、夜11時からの聖歌隊によるクリスマス・ソング・コンサートと、12時からパリ大司教が自ら執り行うというクリスマスの深夜ミサ。10:30頃にノートル=ダムに到着すると、大聖堂前はすでに長い行列ができていました。ほとんど大晦日の晩の初詣状態。




日本の初詣だと、押し合いへし合いでかなり殺気立ってくるわけですが、さすがにフランスではこんな状態でも前の人を押したりはしません。写真を撮りながらさりげなく列に割り込んでくる人は散見されましたが、多くの場合、それは観光で来ている外国人だったように思えます。




建築の立場から典礼(ミサ)を見る場合、もっとも劇的な空間の使い方の一つとして興味深いのが「行列」(procession)です。教会堂の西側扉口のうち中央の扉は通常閉じられており、左右の扉が通用門として用いられていますが、この日は深夜12時になると中央の扉(最後の審判の扉口)が開き、そこから十字架、聖書、蠟燭の灯った燭台などを高く掲げた聖職者たちとともに、職杖を手にした大司教が列をなして入ってきて、教会堂の中央を主祭壇に向かって悠然と、かつ厳粛な面持ちで歩いていくのを見ることができました。

一夜明けてクリスマスの25日になると、パリの街はひっそりと静まりかえり、日本でいえば元旦のような雰囲気。そんななか、まるでお正月に親戚の家にご挨拶に行くような気分で、お菓子を持ってご近所のO氏邸でのクリスマス・パーティーへ。お昼からスタートして夜10時までご馳走を食べ続けました。仲のいいたくさんの友達と一緒に、家の中で過ごすクリスマス。これがフランス流のクリスマスの過ごし方なのかもと考えながら、2回目のフランスでのクリスマスを満喫しました。

Posted: 月 - 12月 26, 2005 at 04:15 午前          


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