クルミ割り人形





これまでオペラやバレエはオペラ座(ガルニエまたはバスティーユ)で見ていましたが、初めてシャトレ劇場にてバレエ「クルミわり人形」を見てきました。演じるのはもちろんオペラ座のバレエ団ではなく、ロシアのサンクト=ペテルブルクのバレエ団。チャイコフスキーの音楽は盛りだくさんのメロディーで楽しませてくれます。プロコフィエフといいチャイコフスキーといい、ロシアの作曲家の音楽は、まるで映画音楽のように舞台を盛り上げるツボを心得ているように感じます。




今回初めて訪れたシャトレ劇場(Théâtre musical de Paris Châtelet)は、シャトレ広場を挟んでパリ市立劇場(Théâtre de la Ville)と向かい合う、2つの同じデザインの劇場の1つになります。写真はシャトレ劇場の屋上テラスからシャトレ広場と市立劇場を見たところ。中央の円柱は広場の中心に位置する泉の装飾です。建築家Gabriel DAVIOUDによる1860-62年の作品。きわめて計画的な2つの劇場の配置は、かのパリ県知事オスマン男爵の都市計画の一環です。




オスマン時代の都市計画的な配置を持つ劇場といえば、もちろんCharles GARNIERのオペラ座がまず思い出されるわけですが、シャトレ劇場と市立劇場もオペラ座と同じ時代の建築になるわけです。ちなみにガルニエのコンペ案が1位に選ばれたのが1860年、オペラ座の建設は1862年〜75年にかけてですので、建築としてはシャトレの2つの劇場の方が古いということになります。




さすがに大階段やフォワイエについてはオペラ座の豪華絢爛さには比べるべくもありませんでしたが、ホールのインテリアはオペラ座にもひけをとらない煌びやかさで、なかなか楽しませてくれました。平面的にはそれほど広くありませんが、客席が高く積層するため、底の深いホールとなるのが特徴のようです。

Posted: 火 - 12月 6, 2005 at 05:39 午前          


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