ポントワーズ



Pentax *istD + DA16-45mm

フランスにあるすべてのゴシック建築を見尽くすことはできないとしても、パリに住んでいるうちに見るべきものはローラー作戦で見ておこうと、久々にゴシックの教会堂見学に行ってきました。目指すはポントワーズのサン=マクルー大聖堂。パリからだとRER(高速郊外鉄道)C線のポントワーズ行きで終点。駅を出ると、正面のまっすぐ延びる道の突き当たりに大聖堂がそびえ立っていました。


Pentax *istD + DA16-45mm

こちらが大聖堂のファサード。ルネサンス期(15〜16世紀)に建てられたファサードのバラ窓は、フランボワイヤン・ゴシックの特徴を備えています。この教会堂は1966年に大聖堂に昇格されたもので、中世には司教座が置かれていたわけではなかったため、いわゆる大聖堂としてはずいぶん小規模な建築です。おそらく20世紀になって急激に町の人口が増えたのではないかと想像していますが、確かなことはわかりません。


Pentax *istD + DA16-45mm

身廊もフランスにルネサンスが導入された後のゴシック建築という印象。もっとも後期のフランボワイヤン・ゴシックと見なされることもあるようです。


Pentax *istD + DA16-45mm

何よりも驚いたのが、北側の二重側廊を分かつ写真の列柱。完全に古典主義様式のデザインとなっています。古典のオーダーがゴシックのリブ・ヴォールトを受けているというのは、なかなか新鮮でした。


Pentax *istD + DA16-45mm

僕の研究テーマに直接関係してくるのは、教会堂内で唯一12世紀当初の姿を残す、周歩廊の部分。ここでもかなり、後世の改築の跡が見られましたが、それでも初期ゴシックのデザインを見るとなんだかホッとしてしまいます。


Pentax *istD + DA16-45mm

パイプ・オルガンもかなり立派で、非常に美しいデザインでした。


Pentax *istD + DA16-45mm

大聖堂の見学を終え駅に向かっていると、後ろから追いかけてきて話しかけてきた人がいました。観光でポントワーズに来たのならば、ぜひとも見せたいところがある、という親切な町の人。そして案内してもらったのがこちらの女子カルメル修道会の修道院です。カルメル会は12世紀にパレスチナで創設されたものですが、こちらの修道院そのものは1605年に創設されたもの。フランスで最古のカルメル会修道院だそうです。現在も修道女たちが修道生活を送っている生きた修道院で、普段は開放されていない聖堂内も見学させてもらいました。

Posted: 火 - 2月 14, 2006 at 07:07 午後          


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