パサージュ



Pentax *istD + DA16-45mm

9月にパリに戻ってきて以来、D・ペローの国立図書館も、INHA(国立美術史研究所)の付属図書館(旧国立図書館、H・ラブルーストの建築)も、長い夏休みに入ってしまっています。来週のオープンまでは家で読書の日々が続く・・・というのも飽きてきたので、今日はパサージュの写真を撮ってきました(おとといポワッシーに遊びに行ったばかりですが)。


Pentax *istD + DA16-45mm

トップ画像を含む上の3枚はパサージュ・デュ・グラン・セール 。オリジナルは1825年のものですが、1994年に修復されています。このパサージュが面しているサン=ドニ通りは、特にこの界隈には風俗系のショップが建ち並び、娼婦街としても知られていますが、このパサージュの中はおしゃれなセレクトショップが軒を連ね、アロマキャンドルの香りが漂ってくるような別世界となっています。写真の通り、入り口に扉があるわけでもないのに、パサージュの内と外では見えない境界線が引かれているようでおもしろいところです。


Pentax *istD + DA16-45mm

同じサン=ドニ通りをもう少し北に行ったところにあるパサージュ・デュ・ケール 。こちらは1799年に建設されたパリで最古のパサージュです。現在、改装作業が行われているようでした。


Pentax *istD + DA16-45mm

パサージュ・デュ・ケール は、内部で通路が三角形状に分かれるため、この写真のような魅力的な見え方をします。この界隈は(あまり趣味がいいとはいえない)洋服の問屋街で、娼婦街としても名高い、いかにも場末の雰囲気をまとっているところですが、このパサージュのリノベーションによって大きく変わるかも知れません。


Pentax *istD + DA16-45mm

パサージュ・デュ・ケールのほぼ向かいに位置するパサージュ・デュ・ポンソー でも、改装計画が出ていました。ちなみにフランス語で古い建物の改修を意味する"Réhabilitation"には、英語とは異なり「リハビリ」の意味はなく、むしろ「復権、名誉回復」などの意味が強いようです。


Pentax *istD + DA16-45mm

最後に、ふと思い出したのが、今年の春にリノベーションの終わった吉祥寺サンロード(いきなりパリから吉祥寺に話が飛びますが・・・)。吉祥寺に住んでいた僕は、完成するのをけっこう楽しみにしていたのですが、完成当初はライティングなどで目新しさはあったものの、あっという間に元の印象に戻ってしまったような気がします。むしろ吉祥寺ではハモニカ横町などのように、かつてのヤミ市時代の都市構造を上手に利用して独特の空間を作り出している地区の方が、うまく"Réhabilitation"しているのではないでしょうか。

Posted: 水 - 9月 15, 2004 at 04:50 午前          


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