モンソー公園



Pentax *istD + DA16-45mm

パリ8区のモンソー公園です。フランス式庭園とはずいぶん違う、風景式庭園といった風情の公園。池の周りには廃虚めいた列柱が配されています。


Pentax *istD + DA16-45mm

池の中程の島では、すばらしく生い茂った柳が存在感を出しています。


Pentax *istD + DA16-45mm

池に注ぎ込むちょっとした小川に架かる橋も、まわりの緑と相まって雰囲気のある風景となっています。これらの公園内の点景を誰がデザインしたのかは調べていないのですが、パリ市内にある大きな公園(モンソー、モンスーリ、ビュット・ショーモン、etc.)は、かのオスマン男爵の右腕としてパリの緑化に努めたアドルフ・アルファンが手がけているものが多いようです。


Pentax *istD + DA16-45mm

ここで建築ファンにとって見るべきは、モンソー公園内にある写真のC.N.ルドゥー設計による徴税請負人の関門でしょう。


Pentax *istD + DA16-45mm

ルドゥーという建築家はフランスにおける新古典主義の代表的な人物ですが、僕の専門のゴシックからはかなり遠く離れているため不勉強です。学生時代に勉強した『西洋建築史図集』には、同じくルドゥーの徴税請負人の関門としてラ・ヴィレットの関所が載っていて、かつてはそれしか知りませんでした。しかし実際には、このモンソー公園の市門とラ・ヴィレットの市門の他にもパリには2カ所、合計4カ所のルドゥー設計による市門が残っています。ただ驚いたのは、フランス革命に前後して整備された50を超えるパリの徴税請負人の関門すべてがルドゥーの設計だったということ。西洋建築史を専攻している方には「そんなことも知らなかったのか!」とお叱りを受けそうですが・・・


Pentax *istD + DA16-45mm

ちなみにこちらはダンフェールの徴税請負人の関門。現在はカタコンブの入口として有名。


Pentax *istD + DA16-45mm

こうした円柱とアーチのデザインを見ていると、マニエリスムやポストモダニズムにも通じる遊び心のようなものを感じます。

Posted: 木 - 6月 23, 2005 at 06:30 午後          


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