アルフォンス・ミュシャのアール・ヌーヴォー・インテリア



Pentax *istD + DA16-45mm

以前ブリュッセル に行ったときに、その素晴らしいアール・ヌーヴォーのインテリアに感動したのが、建築家V.オルタの自邸でした。一方でパリのアール・ヌーヴォーといえば、H.ギマール がいます。ほかにもフランス東部の都市ナンシーに行けば、ナンシー派のアール・ヌーヴォーの芸術家たちの作品が多いわけですが、ナンシー派の代表格ルイ・マジョレルによるステンドグラスのドームは、パリのギャルリー・ラファイエット でも見ることができます。しかし、アルフォンス・ミュシャによるインテリア装飾がパリにあるというのは、これまでまったくノーチェックでした。


Pentax *istD + DA16-45mm

こちらがミュシャのデザインした、宝石商ジョルジュ・フーケの店舗。宝石のデザインですでにミュシャとコラボレートしていたフーケは、1901年にコンコルド広場とマドレーヌ寺院をつなぐロワイヤル通りに店を移転した際、このインテリア装飾をミュシャに依頼したそうです。


Pentax *istD + DA16-45mm

残念ながらこの店は短命に終わったようで、1923年には取り壊されてしまいます。しかし1938年にフーケ自身によって、このインテリアを構成する部材の大半がパリのカルナヴァレ美術館に寄贈されました。というわけで、この建築はカルナヴァレ美術館の内部で再構成された部屋となっているわけです。


Pentax *istD + DA16-45mm

この日は19世紀のパリのことを調べにカルナヴァレ美術館に行っていて、館内の奥の方にひっそりとたたずむこの美しい小部屋を偶然見つけたのでした。日本語のガイドブックでは見たことがないので、あまり知られてないのではないかと思いますが、おすすめです。

Posted: 金 - 3月 31, 2006 at 08:05 午後          


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