旧レ・アールと古パリ広場



Pentax *istD + TAMRON AF18-200mm F/3.5-6.3 XR

19世紀の建築家V.バルタールの代表作であるパリ中央市場(レ・アール)。1971年に取り壊され、跡地に現在のフォロム・デ・アールが建設されました。さらに2004年末にはレ・アール再開発プロジェクトのコンペも開催され、今後さらに生まれ変わる予感も。AJN(ジャン・ヌーヴェル)、OMA(レム・コールハース)、MVRDV(ウィニ・マース)といったオールスターをおさえて、コンペに勝利したのはSEURA(ダヴィッド・マンジャン)だったわけですが、2012年竣工予定でスタートしたこのプロジェクト。2012年のパリ・オリンピックが幻となったいま、果たしていつ完成することになるのでしょう。


Pentax *istD + DA16-45mm

さて、19世紀の鉄骨建築を代表する重要な建築である旧レ・アールは、1851年のロンドン万博会場となった鉄骨とガラスの博覧会建築クリスタル・パレスのような新時代の建築を、という皇帝ナポレオン3世のイニシアティブのもとで、1854年に建設が始められたもの。19世紀のフランスを代表する鉄骨造建築の一つです。1971年に取り壊されてしまいましたが、全12棟のうち1棟が1974年にパリ近郊ノジャン=シュル=マルヌの町に再建されました。その後1982年には、これが歴史的文化財(Monuments historiques)に指定。歴史的建築を記憶にとどめるために記念碑的に移築されたものが、文化財に指定されるというのは不思議な感じがします。現在は建築家の名前をとってバルタール・パヴィリオン(Pavillon Baltard)と呼ばれています。


Pentax *istD + TAMRON AF18-200mm F/3.5-6.3 XR

残念ながら建物の中には入れませんでしたが、この建築の正面に整備されている小さな広場は「古パリ広場」の名前が付けられ、ここにも19世紀のパリで活躍していたであろうストリート・ファーニチャーが並べられていました。


Pentax *istD + TAMRON AF18-200mm F/3.5-6.3 XR

手前の街灯はOudryというタイプの街灯、奥の泉はWallaceというタイプの泉。どちらも19世紀パリのもっとも典型的な鋳鉄のストリート・ファーニチャーで、パリでもしばしば見かけるもの。


Pentax *istD + TAMRON AF18-200mm F/3.5-6.3 XR

さらに写真左手に写っているのは、コロン・モリスと呼ばれる、19世紀の広告塔。現在のパリでは蛍光灯が組み込まれた光る広告塔となっていますが、これは昔ながらのポスターをベタベタと貼るタイプです。ここに貼ってあったポスターによると、1月にパヴィリオン・バルタールにてキャットショーがあったらしく、そのときに来ていれば内部に入れたということがわかりました。残念・・・


Pentax *istD + TAMRON AF18-200mm F/3.5-6.3 XR

こちらは、ベンチとゴミ箱。現在ではパリのゴミ箱は、おそらくセキュリティ上の理由からでしょうが、半透明のビニール袋が吊り下げられただけのおもしろみのないデザインになっていますが、昔はこのようなゴミ箱が使われていたのでしょうか。

Posted: 金 - 3月 10, 2006 at 08:59 午後          


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