ラ・ヴィレットの関門



Pentax *istD + DA16-45mm

建築家クロード=ニコラ・ルドゥーのパリにおける代表作といえば、このラ=ヴィレットの関門ではないかと僕は思っているのですが、いままで写真を撮りに行っていなかったので、近くまで行ったついでにようやく写真に収めてきました。



Pentax *istD + DA16-45mm

ルドゥーという建築家は日本でも大変な人気者ですから(200年も前の建築家を人気者呼ばわりするのもおかしな表現ですが・・・ちなみに2006年はルドゥー没後200年にあたります)、僕自身、実際の建築作品を見る前からたくさんの図面や写真から得た知識だけは持っていました。しばしば「純粋幾何学形態」などの言葉で説明される、あまりにも理路整然としたその形態は、図面や写真で見るとあたかもレゴで作った模型か何かのように見えてしまい、個人的にはなぜそこまで評価されるのかわからない建築家の一人という印象を持っていました。しかし実際の建築をいろいろと見てみると、この模型のような建築が現実の建築のスケールを持って建っているという驚きだけではない、独特の存在感があるのがわかります。こちら にも、パリに現存する他の関門の写真がありますのでご覧ください。とにかく圧倒的に外観のインパクトが強い建築です。内部に空間を内包する建築ではなく、建築の外部に及ぼす影響力で、周囲に「場」を生じさせているような印象です。そういう意味では、ルドゥーの代表作である「王立製塩工場 」は、その中庭空間にルドゥーの建築が作り出す「場」が封じ込められた、最高の空間といえるかもしれません。


Pentax *istD + DA16-45mm

こちらは、ルドゥーの関門の北側に伸びる運河沿いの映画館MK2。以前から興味のあった、運河を挟んで向かい合う2つの映画館です。


Pentax *istD + DA16-45mm

映画を見た人は無料で、見てない人もチケットを買えば、この小舟に乗って、こちらとあちらの映画館を行き来することができます。太陽が燦々と輝く夏の日曜日の午後などには、清涼感のある運河の風に当たるこの企画はなかなか楽しそうですが、寒い冬の夕暮れ時はさすがに閑散としていました。

Posted: 土 - 2月 11, 2006 at 07:06 午後          


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