パサージュ・デュ・ケールとW・ベンヤミン



Pentax *istD + DA16-45mm
フォト・ギャラリー の方に、先日パサージュ・ジュフロワ、パサージュ・デ・プランスなどで撮った写真をアップしたついでに、久々にW・ベンヤミンのパサージュ論を読んでいて面白い記述を見つけました。上の写真は、9/14のblogにも使ったものですが、ここで僕は、次のように書いています。


パサージュ・デュ・ケールは、内部で通路が三角形状に分かれるため、この写真のような魅力的な見え方をします。この界隈は(あまり趣味がいいとはいえない)洋服の問屋街で、娼婦街としても名高い、いかにも場末の雰囲気をまとっているところですが、このパサージュのリノベーションによって大きく変わるかも知れません。


続いてベンヤミンによる記述と引用。


パサージュ・デュ・ケール。ナポレオンがエジプトから帰った後につくられた。レリーフの中にはいくつかエジプトを思い起こさせるものがある。──入口の上にあるスフィンクス風の頭部など。「パサージュは陰気で暗く、交差する様がどれもこれも見るからに不愉快である。……それらのパサージュは……石版印刷工房と製本屋専用という風に見えるし、また隣の通りには専ら麦藁帽子製造所が軒を列ねている。通行人もそこはまばらだ。」エリー・ベルテ「ケール街とパサージュ・デュ・ケール」(『わが町パリ』パリ、〈1854年〉、362ページ) ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』第1巻、今村仁司・三島憲一ほか訳、岩波現代文庫 pp. 113-114 [A10,1]

なかなか面白いので、少しずつアップしている各パサージュのフォト・ギャラリー の中に、関連するベンヤミンの引用を組み込んでみようかな、と考えています。

Posted: 水 - 10月 13, 2004 at 06:39 午前          


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