7月前半の報告



Pentax *istD + DA16-45mm

7月前半は、日本からのお客様をご案内したりして、フランス国内を色々と見て回っていました。その後はたまりにたまった仕事に追われ、すっかりサイトの更新が滞っておりました。


Pentax *istD + DA16-45mm

写真のロンシャンの礼拝堂も、「詳細は後ほど」と言っておいて、まったく続報がお伝えできず申し訳ありません。近々このページか、フォトギャラリーのページに写真をアップいたします。とはいえ残念ながら内部の撮影が禁止されていたため、ここで公開するのもためらわれ、どうしようかいまだ考え中・・・


Pentax *istD + DA16-45mm

7月前半の建築見学の中心は、ロワール古城巡りでした。写真はアゼ=ル=リドー城。空が一面雲に覆われているのが残念でしたが、「川面に映るダイアモンド」と言われるその姿を、無事に写真におさめることができました。


Pentax *istD + DA16-45mm

こちらは17世紀の童話作家シャルル・ペローが「眠れる森の美女」執筆のインスピレーションを得た場所とされるユッセ城。東京ディズニーランドのシンデレラ城を彷彿とさせるメルヘンチックな外観。ただし、シンデレラ城はドイツのノイシュバンシュタイン城がモデルにされたと言われることが多いようです。ちなみにシンデレラ(サンドリヨン)も原作はシャルル・ペロー。その話はこちら でもちょっと書いています。行ったことはありませんが、パリ郊外のユーロ・ディズニーランドにはシンデレラ城ではなく眠れる森の美女城があるそうです。ユッセ城に似ているのでしょうか。


Pentax *istD + DA16-45mm

今回訪れた城のうち有名どころを並べるならば、写真のシュノンソー城とこの後のシャンボール城ははずせません。シュノンソー城は川をまたぐ橋がそのまま城館になってしまっている、驚くべきダイナミックな建築。実際の城館としての機能を持つ居室部分は、写真奥の方の部分に集中し、残りの大部分は大広間とも呼ぶべき巨大な廊下となっています。


Pentax *istD + DA16-45mm

そしてロワール古城巡り最大のハイライトは、やはりこのシャンボール城です。ロワールの城館の多くは、幾世紀にも渡って増改築が繰り返され、様々な時代の様式を身にまといながら不整形な平面構成になっているものが一般的ですが、シャンボール城は時のフランス国王フランソワ1世が新築させた対称形の平面構成を有する巨大な城館です。


Pentax *istD + DA16-45mm

ここでもっとも有名なのは城の中心に据えられた二重螺旋階段。これは歴史上初めて二重螺旋構造が建築に使われた例ですが、二重螺旋階段のアイディアはレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿の中に見られることから、この階段の設計者もレオナルドではないかと推測されています。確かな証拠は何もありませんが、レオナルドをイタリアからフランスに呼び寄せたのがフランソワ1世であることも、傍証の一つにはなるでしょう。
とまあ、シャンボール城の話をすると、いつもこの二重螺旋階段の話に終始してしまうのですが、実際に行ってみると、この城にとって二重螺旋階段は平面計画的にも象徴的にも文字通り中心に据えられていることがわかります。これほど巨大な城館であるにもかかわらず、〈二重螺旋階段しか存在しない〉と言っても過言ではないでしょう。各階の居室部分は二重螺旋を中心にバラバラに配置され、とにかく何処へ行くにも、城を貫く中心軸であるこの二重螺旋階段を意識せずにはいられません。シャンボール城といえば二重螺旋、二重螺旋といえばレオナルド・ダ・ヴィンチ、と連想ゲームのようにこの建築のことをイメージしていましたが、この城の設計者にとって、そしておそらくフランソワ1世自身にとっても、この二重螺旋階段という新しい発明が、これほどに衝撃的なものだったのか、ということを強く感じさせられました。




ちなみに屋上テラスに林立する塔のデザインも衝撃的だったのですが、このことも含めて、ロワール古城巡りについても後でもう一度詳しくレポートします。

Posted: 金 - 7月 22, 2005 at 07:09 午前          


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