パリ7区の建築



Pentax *istD + DA16-45mm

先日、五十嵐太郎さんにお会いしたときに依頼されたので、今日は用事で近くに出かけたついでにパリ7区のアメリカン・チャーチという教会堂を見てきました。実はこの教会堂(American Church in Paris)、日本人が「パリで結婚式を挙げたい」という時の式場として有名。ネットで検索していたら、柔道のヤワラちゃんも、ここで挙式したとか。ただネット検索していてわかったのは、パリにはもう一つ「アメリカン・カテドラル」という教会堂があって、日本人の「海外挙式 in Paris」の舞台としては、そちらの方がメジャーなようです。今日はその「アメリカン・カテドラル」の前も通ったのですが、素通りしてしまいました。


Pentax *istD + DA16-45mm

写真は「アメリカン・チャーチ」(なんとも紛らわしいネーミング!)の中庭部分。この建築は1927年着工の新しいもので、スクラッチタイル・ゴシックとでも呼ぶべき様式になっています。今日は、聖堂内の見学はできませんでした。ちなみに、もう一方の「アメリカン・カテドラル」はアングリカン(聖公会)の教会堂で、やはり19世紀末から20世紀初頭にかけてのゴシック・リバイバル。そちらは近年、歴史的文化財に登録されたようです。


Pentax *istD + DA16-45mm

五十嵐さんがアメリカン・チャーチのことを、「南アフリカ大使館のそばにある教会堂」と表現していたので、南アフリカ大使館がどんな建築か知らなかった僕は、これも慌てて見てきました。アメリカン・チャーチの並びのセーヌ川沿いです。1974年の建築とのことですが、現代的な≪皮膜≫をテーマにした建築のようにも見えます。


Pentax *istD + DA16-45mm

アルミニウムのシールドがガラスの箱を覆うデザイン。アルミの質感が適度な重量感を出していました。


Pentax *istD + DA16-45mm

帰り道、一方通行を避けてグルッと回らされ初めて通った道で、アール・ヌーヴォーの装飾過剰建築を見つけました。建築家ジュール・ラヴィロット(Jules Lavirotte)による1900年の作品。1901年のパリ市におけるファサード・コンクールの1位に輝いたものだそうです。この建築家の名前はこれまで知りませんでしたが、この付近にいくつか面白そうな作品を残しているようなので、また見に行く必要がありそうです。


Pentax *istD + DA16-45mm

比較的新しい建築が立ち並ぶ大通りのなかで、この建築はひときわ異彩を放っています。ちょうど信号待ちをしたときに、ふと横を見るとこのファサードが見えるため、僕が写真を撮っているあいだにも、信号待ちをしているドライバーがポカンと口を開けてこの建築を見上げている様子が何度も見られました。僕と同じく自転車に乗ってこの道を通りかかった紳士は、信号が青に変わっても気づかずに、この陶器の装飾に覆い尽くされたファサードを凝視し続けていました。

Posted: 水 - 3月 2, 2005 at 07:40 午前          


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