ソワッソン大聖堂





この日はパリから電車で、日帰りソワッソンの旅。ソワッソン大聖堂は12〜13世紀の重要なゴシック建築なのですが、今回のフランス滞在中、まだ一度も見学していなかったところ。1年ほど前のピカルディー建築調査 に行ったときの見学スケジュールに入っていたのですが、レンタカーのパンクという予想外の事態のため見学できなかった、いわく付きのところです。




ソワッソンは観光地としてはあまり知られていませんが、だからといってこの大聖堂の美しさが劣っているというわけではありません。シャルトル大聖堂を建てた工匠たちがこの地に移動してきてこの大聖堂を手掛けたといわれるほど、その建築は完成度が高く、均整のとれた美しいプロポーションが支配する内部空間となっています。




他方、唯一12世紀の初期ゴシック時代に建てられた南袖廊では、さまざまな実験的な試みがなされており、僕の研究にとってはこの部分こそもっとも興味を引かれるところ。




大聖堂以外に、ソワッソンで忘れてはならない見所がこちら。中世のソワッソンの町には多数の大規模な教会堂が建設されていたのですが、多くは失われたり廃墟となっていたりします。写真は、そのなかでも美しい廃墟として知られる旧サン・ジャン・デ・ヴィーニュ大修道院。ファサード部分だけを残す廃墟となっているのですが、2つの尖塔は失われずにいまも天に向かって聳え立ち、薔薇窓の円がぽっかりと空を切り取っているという、ここでしか見ることのできない不思議な建築となっています。

Posted: 土 - 4月 29, 2006 at 12:46 午前          


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