2005.09.05
イングランド建築調査3日目!


この日は、ホテルをチェックアウトして、まずはソールズベリー大聖堂を見学。
朝食の時もホテルの食堂で、昨夜出会った日本人グループと一緒になりましたが、
どうも、旅先で日本人に出会うと互いに目をそらしてしまってコミュニケーション力が足りません。

それはともかく、このソールズベリー大聖堂、あまりの美しさに感動しました。
パーベック大理石のモノリスのシャフトを多色彩的に用いるカンタベリー系のデザインを
完成の域まで高めたデザインという印象を受けました。


『地球の歩き方』によると、ここソールズベリーはストーンヘンジの最寄りの町であるため、
ここを拠点の町としか見なさない人も多いとのこと。
とんでもないことです。ここを見ずして帰るとは!


ソールズベリー大聖堂内の見所の一つが、最奥部のチャペル。
細いパーベック大理石だけで支えられたこの空間は、鉄骨造かと見紛うほどの軽やかさです。
もう一つの見所、参事会室(チャプター・ハウス)は撮影禁止でした。


ソールズベリー大聖堂のファサード。



とはいえ、せっかく近くまで行ったのだからストーンヘンジを見ないという手もないわけで。


そういえば子供の頃は、こういう「謎の巨石文明!」みたいなものが好きだったな〜などと思い出します。




続いて西に向かい、ウェルズ大聖堂へ。
できることならばさらに西へ向かい、エクセター大聖堂も見たかったのですが、
そこまで行くと、旅程を1日延ばすことになりそうなので断念しました。


しかし、そんな残念な気持ちを軽々と吹き飛ばしてくれたのが、このウェルズ大聖堂。
ファサードの偉容もさることながら、内部も素晴らしい空間でした。
緋色のマントに身を包んだ聖職者の方に日本語で話しかけられ、
大聖堂内を案内していただきました。
なんでも中野方南町に3年ほど住んでいたとのことで、日本語も堪能。
それなのに、この地を訪れる日本人は多くないようで
(『地球の歩き方』に載っていないせいでしょうか?編集部の方、ご一考下さい!)
とても親切にしていただきました。
この写真は、普通には上ることのできない2階ギャラリーを案内して貰ったときに撮ったもの。



僕にはアヒルの顔に見えて仕方がないのですが、交差部のこのアーチは
シザー・アーチ(Scissor Arch)と呼ばれています。
14世紀に交差部の塔を建設したときに、その補強のために挿入されたもの。


ソールズベリー大聖堂と同じく、堂内の最奥部にはパーベック大理石を多用した
軽やかな柱で支持されたチャペルがありました。



そしてなによりも、今回ウェルズ大聖堂でもっとも感動したのは、交差廊の北側に設置されているこの階段のデザイン。
まっすぐ正面に登っていく階段と、途中で右手に折れる階段とが
緩やかなカーブで融け合っています。


右手に上っていく階段と左手の正面に登っていく階段の接合部分。
軸を回転させながら右に折れていくだけならば、一種の螺旋階段ということになるわけですが、
それと直進する階段とを同一の階段としてデザインしたことが、この素晴らしい階段を生み出しています。
右手の階段を登ったところにあるチャプター・ハウスが1309年完成ということなので、階段も同じ時期のものでしょう。


こちらが、そのチャプター・ハウス。
ソールズベリー大聖堂のチャプター・ハウスに勝るとも劣らない美しい空間になっていました。


先ほどの階段周りを外から見たところ。
右手の建物が聖堂部分、正面やや右よりの八角形平面の建物がチャプター・ハウスになります。
その手前に見えるのが先ほどの階段で、階段を正面に登り切ると、道路をまたぐ渡り廊下になっているわけです。
渡り廊下を渡った先は、大聖堂の聖職者たちの僧坊になっていました。


こちらがその僧坊(Vicar's Close)。
中野方南町の牧師さんも現在はこちらに住んでいるそうで、
居住地として使われ続けている、ヨーロッパ最古のストリートだということでした。
住宅は1363年までに完成したものだそうです。




朝からソールズベリーとウェルズという2つの佳絶なるゴシック建築に圧倒され、
気がつけば予定の時間を大幅に過ぎてしまっていました。
しかたなくバースの町の見学は諦め、今夜の宿を予約しているグロスターめざして車を北に走らせました。
途中、コツウォルズの丘陵地帯で少し見学したのが、カースル・クームという村。


想像以上に小さな村落でしたが、 さすがに絵になります。
日本人にも人気があるのがよくわかりました。


川縁のベンチでしばし休憩。




最後に訪れた、同じくコツウォルズの丘陵地帯にあるバイブリーの村。
その後、なんとか日が暮れかかった頃にグロスターに到着し、この日の予定を終了。


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