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                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
2006.2.5-2.8
モロッコのマラケシュに行ってきました。

北アフリカを代表する、地中海の迷宮的イスラム都市。
赤い壁と曲がりくねった小道が織りなす迷宮空間は期待以上でした。


                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
マラケシュでは、城壁に囲まれた旧市街(メディナ)と城壁の外の新市街とは
まったく別の都市空間となっています。
城壁内は中世以来のイスラム都市。
城壁の外は近代フランス人によって作られた計画都市。
お目当ては、城壁内の旧市街です。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
そんなわけで、今回の宿は旧市街にある古い住宅を改装した、リアドと呼ばれるホテル。
パティオを中心に配した地中海のイスラム住宅を体感できます。


                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
もう一つ良かったのは、このホテルに泊まっていなければ、とても入り込むことのできないような
奥まった路地裏空間を体験できたこと。
1枚目の写真はホテルの正面の小道を撮ったものですが、
他のところでこういう小道に入り込もうとすると、地元の人たちが
「こっちは違うよ。どこに行くの?広場はあっちだよ」
と親切に教えてくれます。
逆に言えば、そういうプライベートな路地裏空間に観光客が紛れ込むのはなかなか難しいわけで
せめてホテルのアプローチの小道だけでも体験することができたのは貴重でした。
基本的に、こういう道幅の狭いプライベートな路地は袋小路になっていて
住民以外は入ってこないように工夫されているわけです。



                                Pentax *istD + TAMRON AF18-200mm F/3.5-6.3 XR
もちろん、ホテルそのものも魅力的な空間構成とすばらしいモロッコ風インテリアで
すっかり魅了されてしまいました。
写真はホテルのロビー兼サロンとして使われている広間。
ランプ好きの血が騒いでしまいます。
このランプはマラケシュの先住民族であるベルベル人の伝統的なデザインとのこと。


                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
サロンから見たパティオ。
光と影のコントラストがすばらしいアクセントとなっています。




                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
さて、いよいよ迷宮都市マラケシュの中でも、もっともディープな迷宮ゾーン「スーク」へ。
「スーク」とは市場空間で、アラブ諸国に典型的なグラン・バザールといったところです。
必ずしもスークの内と外が明確に区切られているわけではないようですが
場所によっては、写真のようにスークに入る門があったりもします。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
ほぼ完全に内部空間となっているイスタンブールのグラン・バザールに比べると
マラケシュのスークは屋根のないところの方が多く、光と影と色彩に溢れていました 。


                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
この巨大なスークは、実際には小さなスークの集合体となっています。
織物のスーク、銅製品のスーク、鉄製品のスーク、香辛料のスーク、
果てはスリッパ(バブーシュ)のスークに至るまで、さまざまな製品を取り扱ったスークが
この迷宮の、至る所にちりばめられているわけです。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
ただし、それぞれのスークの間に明確な境界線があるわけではなく、
なんとなく似たようなジャンルのお店が集まっているという程度の区切り。
曲がりくねった小道を抜けながら、膨大な商品に埋め尽くされたスーク内で迷子になるまでに
ほとんど時間を必要としません。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
たとえば、この写真は最終日の午前中の観光を終えスークを抜けてホテルに戻るときに撮ったもの。
さすがに4日目ともなればスーク内の道も少しは覚えますし、
もともと方向感覚には自信があったつもりだったのですが
南から真北に向けてスークを通り抜けているつもりが、
いつの間にか真南に向けて歩いていました。
歩きながらこの写真を撮ったときに、逆光だということに気づかなければ
危うく飛行機の時間に間に合わなくなるところでした。


                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
この迷宮都市を堪能するために、
出発する前にパリの書店でマラケシュの旧市街の詳細な地図が収録されたガイドブックを買い求め
その地図を持参していったのですが、
この町では、地図は驚くほど役に立たないことがわかりました。
スークの中で地図を広げていると、すぐに親切な人が寄ってきて
「どこに行くの?広場?広場はこっちだよ」
と、あっというまに即席ガイドとなってくれます。
最初から50円ほどのチップを狙って待ち受けている若者もいたりするので
落ち着いて地図を見ることもできません。


                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
地図を広げて見せて、現在地を教えてもらおうとしても、
「広場はあっち、美術館はあっち、モスクはあっち」という風に
方向しか教えてくれません。
それはどうやら、意地悪をしているわけではなく、
地元の人々も、この迷宮都市を地図で把握しているわけではない、ということのようです。
1日目 、ホテルのマネージャーに、ホテルの場所を地図上にプロットしてもらったのですが
あとからホテル周辺の地理を把握してみると、まったく正確ではありませんでしたし、
一度、スークの外の市街地で本当に迷子になりそうになって
(これもいつの間にかまったく違う方角に向かって歩いていたのですが)
このとき、集まってきてくれた人のなかで
地図上の現在地を示してくれることができたのは、1人だけでした。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
地図を見ずにマラケシュの旧市街を彷徨うときに、すべての人が目指すのが
このジャマ・エル・フナ広場。
旧市街の中心付近にある、この都市の臍(ヘソ)です。
「広場」と呼ぶには、そのスケールがあまりにも大きすぎて、
しかもこの広場を囲い込むような高い建物もほとんどないために、
どこまでもダラダラと広がっていく印象です。


                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
広場は、写真正面と左手にL字型に広がっています。
この広場の中を歩行者、オートバイ、観光客を乗せた馬車、荷台を引くラバ、
ときには自動車までもが通り過ぎていきます。
夕刻近くになると写真のように多くの屋台が並ぶとはいえ
これほど巨大な広場が人々のアクティビティを誘発する
都市のパブリックスペースとして機能する光景は、
今まで僕が持っていた、ちっぽけな常識をすっかり覆してくれました。


                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
夕刻となって空が暗くなってくると、広場に集まってくる群衆は
ますますその数を増していきます。
アラブ特有の太鼓の音や蛇遣いの奏でる笛の音色が 、この喧噪をますます活気づけ
夜になると立ち並ぶ飲食店の屋台には人々が溢れかえるというわけです。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
こちらは、すっかり日が暮れた後も商売を続ける、スーク内の広場。
ジャマ・エル・フナ広場ほど巨大な広場ではなく、
建物に囲まれたこぢんまりとした広場です
僕の持って行ったガイドブックに寄れば、「スーク内でもっとも絵になる場所」
とのことでしたが、それを写真におさめる腕が足りません・・・



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
マラケシュで見かけたランプその1。
スークでは様々なデザインのランプが売られていました。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
マラケシュで見かけたランプその2。
真昼の太陽の下でも、夜のランプの光でも、
ありとあらゆるところで、光と影の織りなす模様が、街を装飾していました。


                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
街角の街灯と、壁に描かれた模様。
上の写真でランプが作り出す影の模様と、共通するセンスを感じます。




                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
ここからは、マラケシュで見学した建築の紹介。
まずは、かつてのモスク附属学校だったメデルサ・ベン・ユセフ。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
ベン・ユセフという名のモスクに併設されている学校(メデルサ)ということのようです。
壮麗なファサードは存在せず、曲がりくねった小道に架けられた2つのアーチの間に
入り口の扉がひっそりと口を開けています。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
外部に対しては特別立派なファサードを作らず、
内部に豪華なパティオを設けるのが地中海アラブ建築らしいところです。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
パティオの奥にある礼拝堂空間。
左手奥にある鍵穴のようなアーチが、メッカの方角を示すミフラーブになります。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
2階の小窓からパティオを見たところ。
壁面が、驚くほど繊細な彫刻で埋め尽くされていることがよくわかります。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
2階に上ると、パティオを囲むようにして長い廊下が巡らされていました。
廊下には窓はなく、その代わりに間隔をあけて、
写真のような明かり取りのためのトップライトの吹き抜けが作られています。
1階の廊下にも、ここから採光できるようになっています。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
1階の廊下からトップライトを見上げたところ。
2階の吹き抜けに巡らされた木製の手すりが、アジアの建築を思い起こさせます。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
廊下に面して設けられた学業のための小部屋。
現在は観光地化しているので、これは雰囲気を出すために小道具を再現したものと思われます。
これもまた、アジア的なインテリアですが、床の上に置かれた絨毯と銀のチャイ・セットが
ここがマラケシュであることを主張しています。




                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
続いて、19世紀のお屋敷を改築したマラケシュ美術館。
この巨大パティオには、テントのような屋根が架けられ
銅製の宇宙船のような巨大ランプが吊られていました。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
パティオの中央には3つの水盤が並べられています。
その周りの床にあしらわれたタイルも、とても綺麗でした。





                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
こちらは、クッバ・バーディイン。
いにしえのモスク・ベン・ユセフの付属施設で、マラケシュ最古の12世紀の遺構。
20世紀に発掘され、復元されたものです。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
内部のドームは中世のイスラム建築の技術と華やかさを表現しています。
中世イスラム建築のドームとしては、コルドバの大モスクのそれが有名ですが、
装飾的なリブで支えられていることがあり、
ゴシック建築のリブ・ヴォールトの起源の一つとして挙げられることがあります。
このドームにはリブらしきデザインは見られませんでした。




                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
続いて19世紀末に建設されたバヒア宮。
バヒアとは「美」の意味だそうです。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
いくつもの棟からなる宮殿建築のはざまには、大小様々なパティオが配されています。
このパティオには南国の植物が生い茂り、小さなパラダイスが作り出されていました。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
さすがに「美」の宮殿と言うだけのことはあって、
美しく装飾された広間がたくさんありました。
タイルの細かい模様と、繊細な彫刻、さらには
木造の天井に施された彩色など、ありとあらゆる装飾が見られます。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
上の写真で、広間への入り口となっているアーチの内側の彫刻。




                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
マラケシュの旧市街は、現在も残る城壁で囲まれているため、
市内に入るためには写真のような門をくぐることになります。
そのような門のうち、建築的にもっとも有名なのがこのアグノウ門。
訪れたのが夕方だったため、門の下部が影になってしまい残念。




                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
アグノウ門の前からタクシーに乗って訪れた、メナラ離宮。
巨大な貯水池と、それに面してひっそりと立つ離宮が
きわめてフォトジェニックです。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
メナラ離宮の貯水池と夕焼け。



                                Pentax *istD + Pentax DA 16-45mm/f4ED AL
旧市街を囲む城壁の外に作られたマラケシュの新市街は
フランスがこの地を植民地化したときに作られた、近代都市計画的な街路からなる街で
地図を見ると、まさに「オスマン的」な直線と放射状のプランでできていることがわかります。
新市街を見る時間はあまりなかったので、この写真が典型的な街路かどうかはわかりませんが・・・





                                Pentax *istD + TAMRON AF18-200mm F/3.5-6.3 XR
最後は、日帰りエクスカージョンで出かけた
マラケシュの南に広がる山岳地帯の写真。
山の斜面にベルベル人の集落が形成されています。


                                Pentax *istD + TAMRON AF18-200mm F/3.5-6.3 XR
外観は殺風景な住宅に見えますが、
内側にはすばらしく魅力的な中庭が設けられています。
中庭の周りに各部屋が配される構成のようですが、
斜面に作られた住宅であるため、随所に段差が生じ、
それがまた、空間のアクセントになっていました。


                                Pentax *istD + TAMRON AF18-200mm F/3.5-6.3 XR
お宅にお邪魔して、ミントティーをご馳走になったところ。
オリーブオイルを付けて食べた、自家製の焼きたてのパンも絶品でした。


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