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2005.8.2-8.4
国境を越え、フランスとベルギーにほど近いドイツの2都市
アーヘン(仏名、エクス=ラ=シャペル)とケルンに行ってきました。

ゴシック建築を専門にしながら、
いまだ見たことのなかったケルン大聖堂を訪問するのも、今回の重要な目的でしたが、
実は写真のアーヘンも、ケルンに劣らず楽しみなところでした。

この町は、西暦800年に戴冠し、ごくおおざっぱに言えばフランス・ドイツ・イタリアに広がる
西ヨーロッパ世界を統治したシャルルマーニュ(カール大帝)の宮廷が置かれた町です。
歴史的に見れば、「ヨーロッパ世界の誕生」と見ることも可能でしょうし、
少なくとも、間違いなく中世ヨーロッパのスタート地点と見ることができます。



中世ヨーロッパの出発地点というのは、建築についてもいえることで、
この宮廷礼拝堂(c.790-c.800)こそ、中世ヨーロッパの草分けとなる建築といえるでしょう。
この写真の空間は、1枚目の写真でいうと中央のドームが乗っている建物の内部。
ただし、ドームは後世のものになり、シャルルマーニュの時代の建築は主にこの内部空間になります。




8角堂となる平面構成をはじめ、この建築の原型となったのは
ラヴェンナのサン=ヴィターレ教会堂(526-c.540)ともいわれますが、定かではありません。



内部に入ると美しいモザイクに圧倒されましたが、
これらのモザイクはオリジナルではなく、19世紀末から20世紀にかけて作られたものだそうです。
奥に見えているステンドグラスは、15世紀に建設されたゴシック様式の内陣。



こちらはアーヘンの市庁舎。市庁舎前は市場が開かれる広場となっています。


市庁舎の最上階にあるホール。
照明器具がいかにもドイツらしいプロダクト・デザインでありながら、
このゴシック空間とうまく融合しているように感じました。


市庁舎の側面には、建物に寄生するように
雰囲気のある飲食店が張り付いていました。



アーヘンの町中を歩くと、街角でときどき可愛らしいオブジェに出会います。
さすがグリム童話のお国柄(?)。
フランスとはまたちょっと違ったセンスを感じます。


アーヘン最後の写真は、古い市門。
かつて町が城壁で囲まれていた時代の名残です。



さて2日目は、アーヘンからケルンへと移動。
ケルン駅について驚いたのは、文字通り駅の隣に大聖堂があること。
ガラス越しに大聖堂が見えているのがわかると思います。

フランスでは、大聖堂が建っているような歴史的地区は旧市街として残され、

鉄道の駅を中心とする新市街は、旧市街から離れたところに形成されるのが一般的。
それに対してケルンでは、歴史的に重要なモニュメントと現代建築が混在し、
どちらかというと日本に近い風景でした。


ついに訪れた念願のケルン大聖堂は、外観の迫力が圧倒的でした。
フランスのアミアン大聖堂の影響を受けたといわれるフランス・ゴシックに近い形式で
普段からフランスのゴシック大聖堂を見慣れている僕には、
大聖堂の内部については特別ドイツに着た!という感慨はありませんでした。



塔の高さは156mにもおよび、北ヨーロッパ最大規模といわれるケルン大聖堂。
13世紀前半に建設が始められたものの1560年に工事中断。
その後300年の時を経て1842年に工事が再開され、1880年に完成した背景には
ストラスブール大聖堂にゴシック建築の美を見出したゲーテの働きかけもありました。
ケルン大聖堂には、中世の精神と近代の美意識とが含まれているわけです。


せっかくなので156mの塔にも上ってきました。
写真は塔の頂部、尖塔部分の見上げ。


塔の上からはケルンの町が一望のもとに見渡せます。
写真は、かの有名なライン川と鉄橋。
この景色を見てしまうと、逆にライン川の反対側から見た大聖堂が見たくなります。


というわけで、ライン川を渡るべく大聖堂の東側へ。
こちら側から見える内陣の部分は、中世に完成していた部分になります。
威圧的な西正面の姿と比べると、優美さを感じる東側の姿も
ひと味違って美しいものでした。


ライン川越しに見た鉄橋と大聖堂。
あまりにも有名な構図ですが、ケルンに来た以上、このアングルの写真は撮っておきたいと、
夕暮れの肌寒い風が吹く中、頑張って橋を往復してきました。


翌朝、懲りずにまたも別の橋の上から、ライン川とケルン大聖堂の撮影です。
大聖堂の左側に見えているのは、グローセ・ザンクト・マルティン(Groß St. Martin)教会堂。



実はケルンには、このグローセ・ザンクト=マルティン教会堂をはじめとして、
素晴らしいロマネスクの教会堂がたくさんあります。
その多くが戦時中に被爆して再建されたものではありますが、
古い形式を残した重要なロマネスク建築が多く、見ておきたいものばかり。


中でも僕にとって、もっとも大事だったのが写真の
ザンクト=マリア=イム=カピトル(St.-Maria-im-Kapitol)教会堂。
内陣と交差廊の両腕部分がすべて同じ半円形プランとなる
3葉式(クローバー型)の平面を有するもっとも古いものの一つとして知られています。
この形式が北フランスの初期ゴシック建築まで伝わった可能性があるため、
是非とも見ておきたかったわけです。
先にご紹介したグローセ・ザンクト・マルティンもまた3葉式平面になっています。


平面図で示すと簡単に3葉式であることを示せるのですが、
写真でそれを示すのは至難の業でした。
この写真はザンクト=マリア=イム=カピトル教会堂の交差廊。
3葉のうちの1枚にあたる部分です。
今回の旅行では、先にアーヘンの宮廷礼拝堂を見て、
続いて、このザンクト=マリア=イム=カピトルを見ることができたので、
それぞれ別々に見るよりも、時代を追って建築形式の展開を確認することができ、
非常に勉強になったように思います。


驚いたのは、この教会堂の入口近くに残っている回廊の遺構が、
その上に現代の集合住宅を積層するようにして使われていたこと。
かつての教会堂の中庭空間が、現在はアパートの住民の中庭になっているようです。
フランスでは考えられない(というか、僕は見たことがない)事例です。
歴史的建築の保存・活用というのは現代における重要なテーマではありますが、
この建築は活用せずに保存すべきだったのでは?とビックリ。


こちらも同じく3葉式平面を持つザンクト=アポステルン(St. Aposteln、聖使徒)教会堂。
この教会堂は、ケルンの町中、商業の中心地に立っています。


ザンクト=アポステルンのすぐ脇の、ショッピング・アーケード(Neu Markt)。
現代のパサージュ空間です。


付近を歩いていると、総ガラス張りの現代建築も!
実はこれ、2005年9月にオープンする、ドイツのファッション・メーカー
Peek & Cloppenburgの新店舗。
建築家レンゾ・ピアノの新作だそうです。


ついついパリと比較して考えてしまいますが、
ピアノといえば、リチャード・ロジャースとの共作によるポンピドゥー・センターが
1977年にオープンしたときに、かなり物議を醸したといいます。
しかし、東京とあまりかわらないような、ケルンの繁華街を歩いていると
この建築がそういう意味で問題になることはないんだろうな〜と感じます。
パリに突如現れたポンピドゥー・センターは、歴史的街並みの中の異物だったのでしょうが
むしろケルンのこの辺りでは、ザンクト=アポステルン教会堂の方が、
すでに異物なのかもしれません・・・


最後に訪れたザンクト=ゲレオン(St. Gereon)教会堂。
繁華街からは少し離れ、比較的静かなところです。


内部は、驚きと感動が同時に襲いかかってくるような、素晴らしい空間となっていました。
写真ではわかりにくいですが、楕円形平面のゴシック建築となっています。
古代ローマ時代に建てられた楕円形の教会堂の構造を利用して、
13世紀の建築家が、ゴシック様式に全面改築したものとのこと。
その結果、ほかに類のない楕円形ゴシック建築という驚くべき空間が誕生したというわけです。
楕円形の教会堂といえば、イタリア・バロックの建築家ボッロミーニの
サン=カルロ=アッレ=クワットロ=フォンターネ教会堂などが有名ですが、
それよりも400年も前に、これほど魅力的な空間を創造した名も知れぬ建築家がいたとは、
ケルンに行くまでまったく知りませんでした。


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