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2005.12.10-12.12
ロンドンに行ってきました。
今回は写真のパリ北駅発着ユーロスターでの往復。


ロンドンをじっくり見物するのは、これが2度目。
前回は大学4年の時に友人たちと来た卒業旅行だったので、かれこれ10年ぶり。
ここは、その10年前にも来たサー・ジョン・ソーン博物館。
内部の撮影が禁止されているのは残念ですが、 文字通りの「密度の濃い空間」を満喫しました。
建築家の自邸としてはブリュッセルのV.オルタ自邸も素晴らしい建築でしたが
個人的にはこちらのジョン・ソーン自邸(現博物館)の方がより濃密で好みの空間です。


その後、大英博物館を軽く見学しているうちにあっという間に夜になってしまい、
ロンドンの日没の早さに驚かされました。
パリとさほど経度が変わらないのに時差が1時間あるためか、
夕方4時には日が暮れてしまうという印象です。
というわけで、初日はピカリー・サーカス周辺のパサージュ巡りをした後、
ホテルへと戻りました。




2日目は朝から念願のキュー・ガーデンズ(植物園)へ。
秋のイングランド旅行では、時間が足りなくなって見学できなかったところです。
緑の芝がうっすらと凍りつき、白く霞んだ風景がとても美しい冬の庭園でした。


こちらが、今回の旅の主要な目的の一つであるパーム・ハウス。
1844〜48年にかけて、建築家D.バートンと鉄の鋳造家R.ターナーによって建設されたものですから、
J.パクストンによるロンドン万博のクリスタル・パレス(1851年)に先行する
ガラスと鉄骨の建築ということになります。
パクストン自身はクリスタル・パレスに先駆けて、
チャツワースのデヴォンシャー公爵の庭園において巨大な温室(1837-41年)を完成させていますが
パクストンの作品は、温室もクリスタル・パレスも現存しないため、
19世紀半ばに建設され、今もその美しい姿を残すキュー・ガーデンのパーム・ハウスは
きわめて貴重な建築ということになるわけです。


芝も凍りつく寒さの中から、熱帯の植物が生い茂る温室の中に入ったため、
眼鏡はもちろん、カメラのレンズもすっかり曇ってしまいました。
デジカメのCCDが壊れてしまうのではないかという不安に駆られ、
カメラが温まるのを待ってから、撮影を開始しました。
写真は、2階のギャラリーに登る螺旋階段。


秋から初冬にかけて暖かかったためか、
紅葉した木々が、随所に見られました。


パーム・ハウスから彼方のパゴダを望む。
1762年の、サー・ウィリアム・チェンバースによる作品。
霧に霞むその姿は、何とも幻想的です。


キュー・ガーデンズにおけるもう一つの19世紀の温室が
こちらの « Temperate House »。
直訳すると「温暖な家」といったところでしょうか。
1860〜98年にかけて建設されたもの。
フランスでも19世紀後半には同様の温室が流行したようですが、
フランスでは « Jardin d'hiver » の名称が一般的だったようです。
「冬の庭園」とは、なかなか詩的な響き。


螺旋階段の装飾は、パーム・ハウスのそれとよく似ています。


この日は、その後ロンドンに戻り、美術館・博物館見学。
テート・ブリテンにて、ターナーやラファエル前派の絵画を満喫しました。
その後、訪れたのが写真の自然史博物館。


1871〜81年にかけて建築家アルフレッド・ウォーターハウスによって建設された
ネオ・ロマネスクとも呼ぶべき中世風の建築です。
1860年に完成したオックスフォード大学の自然史博物館と同じく、
中世建築のリバイバルに鉄骨の構造を組み合わせるデザイン。


実は、1864年に実施されたこの建築のためのコンペに勝ったのは
この博物館のすぐ近くにロイヤル・アルバート・ホール(1867-71年)を設計したことで知られる
建築家フランシス・フォークでした。
しかしフォーク自身は1865年に没したため、
この博物館はウォーターハウスによって完成されています。
フォークの作品としては、他にスコットランドのエジンバラにあるロイヤル・ミュージアムがあり、
これも鉄骨の博物館建築として、なかなか興味深いところです。


自然史博物館の正面の広場では、クリスマス市が開催されていました。
うっすらとライトアップされた中世風の建築を背景に、
クリスマスのイルミネーションが、ファンタジーのような雰囲気をつくり出しています。


こちらが建築家フランシス・フォークによるロイヤル・アルバート・ホール。
この日はここでブートレッグ・ビートルズを見て、2日目を終了。
場所柄なのか、あるいは25年もビートルズを演じ続けている彼らのファン層なのか
全体に年齢層が高く、孫を連れたおじいちゃんおばあちゃんまで見られました。
アンコールのツイスト・アンド・シャウトで、

アリーナの若者たちよりも上手にツイストを踊る彼らの姿は
イギリス人のかっこよさを見せつけられた感じ。

ジョン・レノンの死から25年と3日たったこの日、
ジョンを演じるネイル・ハリソンの歌ったイマジンは胸に染みました。



最終日は、荷物を帰りのウォータールー駅に預けた後で
まずはウェストミンスター方面へ。


ウェストミンスター・アビーも10年以上前に一度見たきりなので楽しみでした。
秋にイングランドのゴシック建築めぐりをしてきたばかりなので、
ここウェストミンスターが最後の1ピースといった気分。

ただ、ここは内部の写真が撮れないのが残念でした。
写真は南側ファサード前の街灯。


教会堂内ではないということで、ウェストミンスターの回廊部分で写真撮影。
窓に嵌め込まれた鉄の装飾が、美しいシルエットを作り出していました。



続いて建築家クリストファー・レンの大作セント=ポール大聖堂へ。
ここも内部の写真撮影は禁止でしたが、ドームに登ってロンドンのパノラマを撮影。


予定では、残りの時間は前日に見ることのできなかった
ヴィクトリア&アルバート博物館で過ごす予定だったのですが
セント=ポールのドームの上から見た、ひときわ異彩を放っていたこの建築を近くで見たくなり
急遽、現代建築巡りに変更。
これはノーマン・フォスターによるスイス・リー本社ビル(1997-2004年)。
高さ約180mの超高層ですが、足下まで行ってみた実感としては
圧迫感や重量感を感じさせないデザインかもしれない、と感じました。
皮膜と構造が一体化した、その外皮のデザインの面白さもさることながら、
遠くから見るたときにはロンドンでもっともその存在感を強くアピールする高層ビルでありながら
足下を歩く人々を威圧し、圧迫することがないとすれば
その冗談のようなデザインも、建築家の意図した通りに成功しているといえるかもしれません。



ロンドンにおける「異質な」デザインの先駆けといえば、
リチャード・ロジャースのロイズ・オブ・ロンドン(1986年)。
このビルとスイス・リー本社ビルとが至近距離で
ほとんど向かい合うようにして立っていることにも驚きました。


ロイズのすぐ裏手にあるレドンホール・マーケット。
この辺りは、10年前にも来たはずなのですが、こんな市場があるとは知りませんでした。


これは建築の半内部・半外部空間としてつくられるパサージュとは異なり、
完全な外部空間としての道路に屋根を架けてつくられるアーケード型商店街。
鉄骨とガラスの屋根は1881年に建設されたものだそうです。
いわゆるヴィクトリア様式の店舗が軒を連ねる、美しいマーケットでした。

そういえばパリでは、レドンホールのような道路にガラス屋根を架けた市場は作られなかったようです。
19世紀の鉄骨とガラスの市場といえば、旧レ・アールのように
広場状の平面的な広がりを持った空間に建設されるものだったといえるかもしれません。
逆に道に沿って露店が並ぶ市場は、現在でもパリ市内の至る所で見られますが
そこに屋根が架かったアーケード状の市場は見たことがありません。


最後に訪れたのは、こちらもノーマン・フォスターによるロンドン市庁舎(1998-2002年)。
写真中、市庁舎の左下には同じくフォスターによるスイス・リーが小さく写っています。


ロンドンのスカイラインを支配しているスイス・リー本社ビルに比べれば
この市庁舎は小さな建築ですが、螺旋が内部空間を支配するその構成は
外観の奇抜さが内部にまで浸透しているといえるかもしれません。


市庁舎のすぐ近くには、昔からのロンドンのランドマーク、タワーブリッジが屹立しています。
ゴシック風のデザインが施されたこの橋は、1894年に完成したという近代建築。
その迫力は、ガラス張りの市庁舎を凌いでいるように思えます。

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