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2005.3.06-07
北イル=ド=フランスの、初期ゴシック建築調査旅行に行ってきました。

今回の行程は昨年8月の旅行と重なるところも多く、
1枚目の写真の教会堂モリアンヴァルのノートル=ダムも、これが2度目の訪問です。
昨年の調査の時に色々と新しい発見があり、それをもとに一つ論文を書き上げたのですが、
先日その論文を査読してくださった先生からいくつか細かい点でご指摘をいただき、
今回の調査はその確認作業が主たる目的でした。

今回の調査でもっとも重要な建築はこのMorienvalの教会堂と、
このPhoto Galleryの最後に出てくる Saint-Germer-de-Flyの教会堂でした。
この2つについては予定通り調査することができ、最低限の目的を達することはできたのですが、
その周辺で是非とも見ておきたかった小さな村の教会堂は、ことごとく中に入ることができず、
かなり悔しい思いをしました。




昨年の8月の旅行記でもご紹介していますが、
モリアンヴァルの教会堂の、この窓の美しさは秀逸です。
中世の教会堂の窓というとステンドグラスを思い浮かべることが多いですが
このロマネスク時代に作られた窓は、壁の厚みと、窓の下部に設けられた階段によって、
堂内に柔らかい光を取り込むことに成功しています。



それでも、この窓だけでは少し内部が暗すぎるということで、
12世紀の前半、祭壇を背後に≪偽周歩廊≫ともいうべき空間が増築されました。
その部分は、イル=ド=フランスでもっとも早くリブ・ヴォールトが用いられたと考えられる所で
僕にとって、重要な研究対象となっています。

そのリブ・ヴォールトを支える小円柱もやはり段状に並べられているため、
高窓の下の段とともに、光に奥行きを与えています。


ところで、1回見学しただけでは見落としがたくさんあるということを示しているのがこのランプ。
昨年モリアンヴァルから帰ってきてから、写真に写っている赤い小さな明かりを見つけたものの
それがなんだかまったくわからず、今回ようやく謎が解けたというものです。




さて、続いてノワイヨン大聖堂を訪問しました。
これは初期ゴシック建築の代表作の一つ。
約5年ぶりの訪問で楽しみにしていたのですが、 鍵がかかっていて中に入れずがっかりしました。




大聖堂の周りをウロウロしていて見つけたのが、
涎の凍り付いたガーゴイル。



ノワイヨン大聖堂は西側のファサードに双塔と見事なポーチが残っていて美しいのですが
この東側の外観の美しさも、それにひけをとりません。
内陣の周りに並べられた放射状チャペルの屋根と、主廊の屋根の造形、
初期ゴシックの控えめなフライング・バットレスのシルエットが、
ノワイヨン大聖堂独特の外観となっています。




続いて訪れた、カンブロンヌ=レ=クレルモンの教会堂。
雪に包まれたこの教会堂は扉が閉ざされ、修復の現場も動いておらず、
村の人に聞いても鍵の所在がわからず、中に入ることはできませんでした。





続いてそのすぐ近くの村、ビュリーの教会堂。
ここでも扉が閉ざされ、連敗です。

何かインフォメーションがないかと扉周辺の張り紙を探してみたところ、
この教会堂では、ミサすら滅多に行われないようでした。
この地域を管轄する教区司祭(牧師さん)は一人でいくつかの教区を担当しているらしく、
週替わりで、毎週末に周辺の村の教会堂を転々としながらミサをあげているとのこと。
すなわち、この教会堂に入れるのは月に1回程度、
ここに廻ってくる牧師さんがミサを執り行うときだけ、ということのようです。




連戦連敗。というのはどこかで聞いたセリフですが、
この日最後に訪れたサン=ルー=デッスランの教会堂もまた、鍵がかかっていました。
ただ、 次の日に町の観光局で鍵を借りれば中に入れることがわかったので
この日は早めに教会堂巡りを終了して、ホテルに向かいました。




結局、終わってみれば今回の旅で一番のハイライトとなったのがこのシャトー・ホテル。
パリ の北東に位置するエルムノンヴィルの城館です。

パリでの建築史研究仲間、戸田穣氏の研究テーマの一つということで、ここに宿を決めました。


庭園側の眺望は最高でした。
シーズン・オフで宿泊客が少ないために、いい部屋を提供してくれたのかもしれません。



窓越しに見た庭園の眺め。


窓を開けると、城館の北側にはこのような風景式庭園が広がっています。

このエルムノンヴィルのシャトーは、哲学者ジャン=ジャック・ルソーの終の棲家となったことで有名で

南側の庭園は「ルソーの公園」として公開されているのですが、
開園時間に間に合わず、残念ながらその有名な庭園には入れませんでした。


しかし、事前に戸田氏のアドバイスで、
北側の庭園の方が規模も広くいわゆる風景式庭園を存分に展開している」
と聞いていたので、 公開されているのかわからないまま、忍び込んでみました。

北側に回り込むと、城館の見え方も変わります。
南側ファサードでは、両翼が前面に突き出され、
ペディメントと呼ばれる三角形の切り妻が、ルネサンスの端正な表情を作り出していますが
北側ファサードでは、隅部に設けられた円形の塔が、
周囲にめぐらされた堀とともに中世の軍事建築としての伝統を感じさせます。


庭園から彼方に城館を望む。


同じ庭園の早朝の眺め。
夕方の庭園と比べると、水面が鏡のように静まりかえっています。
水鳥たちも、まだ眠っているよう。



庭園を眺めながらの朝食は最高です。



ホテルをチェックアウトして、まずは前日に入ることのできなかったサン=ルー=デッスランの教会堂へ。
今度は、ちゃんと鍵を借りて中に入ることができました。
朝の教会堂は、東側から朝日が当たるため、奥の聖域がまぶしいほどに光り輝いています。


西側の入口周辺には、ノルマン・ロマネスク的な彫刻が数多く残されていました。

この後、一縷の望みをかけて、同じく前日見ることのできなかった
カンブロンヌ=レ=クレルモンの教会堂にも、もう一度足を伸ばしてみたのですが、
こちらはやはり駄目でした。
仕方ないので、一路サン=ジェルメール=ド=フリの教会堂へと向かいました。




サン=ジェルメールは、かつてはかなりの規模を誇った大修道院でしたが、
現在は、教会堂を中心とする小さな村落となっています。



この建築は、写真左側の12世紀に建設された初期ゴシック様式の教会堂部分と
右側の13世紀に建設された盛期ゴシック様式のチャペルから成る、特徴的な構成を有しています。
僕の研究対象は左側の建築。



ところで、サン=ジェルメール=ド=フリに移動中、パリの北に位置する大都市ボーヴェを抜けたので、
国道沿いにマクドナルドでも見つかるだろうと思っていたのですが、
運悪く、昼食を食べることのできるお店は何一つみつからず、
そのまま午後1時頃にサン=ジェルメール=ド=フリに到着してしまいました。
そのとき、村で唯一営業していたのが写真のレストラン。
おもてでメニューを確認したところ、それほど高くなかったので入ってみました。

ところが中に入ってみると、身なりのいい老夫婦たちが食事している、ちょっとした別世界。
車に置いてきた、シャトー・ホテル用に持ってきたジャケットを取りに戻ろうかと思ったほどでした。
料理も素晴らしくおいしく、なぜこの値段でこんな料理が食べられるんだろうという料理の数々。

前菜、メイン、デザート、コーヒーの簡易コースではありましたが、チョイスも多く味も最高でした。
地方に行くとこんな風に、パリでは味わうことのできないフランス料理のおいしさを満喫することができることが
もう一つの旅の楽しみでもあるわけです。


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